2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20130
近年,利用者減少による事業者の収益悪化や,乗務員の人手不足により,路線バスの大幅な減便または路線廃止が行われ,利用者の足が失われるといった問題が全国各地で生じている.事業者はこういった減便および路線廃止を収益改善に向けた運行効率化の一環として行うことも多いが,利用者需要への影響が十分に考慮されていないことによって利用者離れを引き起こし,さらに収益が悪化して再び減便・廃止の必要が生じることが懸念される.本研究では地域内のトリップが既知な地方都市のバスネットワークを対象に,利用者需要と収益を明示的に考慮した上で,事業者にとって実現しやすいバス運行ダイヤの生成と施策検討ツールとしての利用を可能としたバスダイヤ生成モデルを構築し,挙動の確認および施策検討シミュレーションを行う.