2024 年 80 巻 22 号 論文ID: 23-22012
開削工事で設置される土留め壁に過剰な負荷がかかっている場合,目視でその変状を判断するのは難しく,土留め壁が崩壊する事故が発生している.そのため,既存研究では,土留め壁の内部にセンサを設置する手法や表面にターゲットを設置してTSを用いて変状を定量的に計測する技術が提案されている.しかし,導入にかかる費用や工数が膨大となる課題や網羅的に変状を計測できない課題がある.
本研究は,リアルタイムに計測対象の3次元データを網羅的に計測できる廉価なLiDARに着目し,土留め壁の変状を検出する手法を提案した.実験の結果,非反復型の計測方式のLiDARと提案手法を用いることで,土留め壁の表面に発生した変状を検出できることを明らかにした.今後は,実際の建設現場に適用し,現場導入に向けた課題の整理と提案手法の改良を目指す.