2024 年 80 巻 22 号 論文ID: 23-22014
道路管理者は,道路舗装の状況を把握するため,路面性状調査や目視点検を実施しているが,労力および費用の面で課題を抱えている.そこで,ドライブレコーダやスマートフォンで撮影した道路舗装の動画像を深層学習により解析する技術が注目されている.しかし,既存研究では,教師データの正確性が低い課題や路面に写り込んだ影がひび割れの検出精度を低下させる課題があった.
本研究では,路面性状調査結果に基づく深層学習モデルを構築するとともに,機械学習を用いて4K解像度の動画像から影を除去することで,簡易的にひび割れ率を算出する手法を考案した.そして,実証実験を通じて,目視による精度と同等の約6割の精度で路面性状調査結果のひび割れ率を算出し,簡易的に道路舗装のひび割れを点検できることを明らかにした.