2024 年 80 巻 24 号 論文ID: 24-24001
東北地方沿岸部は,東日本大震災の津波により大規模な被害を受け,居住地を高台移転する大規模な事業となった.しかし,この事業においては多くの人的資源を必要とする.また,同時期に他地域でも同規模の事業が計画されていた.そのため,人的資源不足,工事の長期化,それに伴う人口流出が懸念された.この状況下で,宮城県女川町の震災復興事業では他地域に比べて早期に復旧完了を実現している.この事業の工事担当者がどのような意思決定を行い早期完了を実現したのかを知ることは,今後の復旧・復興には重要な知見である.本研究では復旧工事に従事した工事担当者へのインタビュー調査を行い,帰納的アプローチに基づいて調査結果をカテゴリに分類し,ツリー構造とすることで意思決定プロセスを可視化し,新たな意思決定支援モデルを開発した.