2024 年 80 巻 27 号 論文ID: 24-27026
気候変動による豪雨の激甚化・頻発化により,道路途絶が増加し,孤立地域発生可能性が増大することが懸念される.本研究では,豪雨時の斜面崩壊による道路途絶確率の推計結果を基に,基準期間および将来に渡る孤立地域発生可能性を推計することで,気候変動による孤立地域発生可能性の変化を予測する.分析の結果,2031~2050年ならびに2081~2100年の孤立地域発生可能性は,気候変動シナリオにかかわらず基準期間に対して統計的に有意な増加傾向にあることが示された.また,孤立地域発生可能性の増加量は,SSP1シナリオでは最大で約17%,SSP5シナリオでは最大で約30%と推計された.