2024 年 80 巻 27 号 論文ID: 24-27049
気候変動は,人類が直面する最大の長期的課題のひとつである.気候変動の影響や適応策に関する研究では,気候ならびに社会経済の変化に関して,起こりうる未来を想定したシナリオが一般的に用いられる.共有社会経済経路(SSPs)は,地球規模の将来予測のための社会経済シナリオとして広く採用されている.世界版SSPsをダウンスケールした日本版SSPsでは,人口及び土地利用データが提供されている.しかし,土地利用のうち建物用地面積を人口に比例して変化させているため,実際よりもかなり大きく建物用地面積が減少する傾向にあることが分かっている.そこで,本研究では工業用・商業業務等用・住宅用・その他と用途ごとに建物用地を区分し2100年までの将来推計を行う.住宅用建物用地は,空き戸数などの予測を行うことで使用する建物・使用しない建物を明らかにし,用地面積を推計した.