2024 年 80 巻 28 号 論文ID: 23-28001
小規模吊橋指針・同解説によると,橋長200m以下で幅員が1車線を超えない吊橋を小規模吊橋と呼ぶ.歩行者専用の小規模吊橋では製材や板材を敷き並べた木床版,グレーチング床版が多く用いられるが,床版種別が歩行時に生じる変位やメインケーブル等の張力,振動特性に及ぼす影響の検討はあまり行われていない.本研究では実際に供用されている無補剛小規模吊橋を対象とし,従来型木床版,グレーチング床版,CLT床版を適用した場合の歩廊部の変位やケーブル張力,振動特性等の検討を数値解析にて実施した.結果,従来型木床版はグレーチング床版と同程度の歩行のしやすさを有することが分かった.