2024 年 80 巻 28 号 論文ID: 23-28002
LVL(単板積層材)を用いた湾曲材は,形状の自由度が高い木質材料である.例えば,層を構成する単板の厚さが薄いために,湾曲集成材よりも小さな曲率半径まで曲げることができる.よって,湾曲LVLは構造用途をはじめとした幅広い分野に活用できることが期待できるが,強度性能に関する研究例が少ない.本研究では型枠を用いて製造した平使いの湾曲LVLの強度性能評価を目的とし,圧縮型の破壊試験を行った.その結果,湾曲による強度性能の低減は湾曲部の曲率半径が420mmの試験体で平均6.4%にとどまった.湾曲LVLは湾曲集成材に比べ,強度の低下率が小さい材料であることが判明した.