2024 年 80 巻 28 号 論文ID: 23-28005
CLT(直交集成板)は,近年,中大規模の木造建築や土木分野への利用が期待されているが,国産CLTの活用促進のためには製造コストや施工コストが課題となっている.国産CLTの製造には油圧式プレスが用いられるが,海外では油圧プレスよりも導入コストが低い真空プレスを用いてCLTを生産している工場もある.真空プレスは圧締圧力が小さいが,真空ポンプと材料を覆うシートがあればプレスが可能であり,様々な寸法や形状のCLTの製造に対応することができる.本研究では,国産材のCLT製造における真空プレスの可能性を検討することを目的として,樹種や接着剤の条件を変えたCLTを真空プレスと油圧プレスを用いてそれぞれ作製し,曲げ性能や接着耐久性を評価した.