2024 年 80 巻 28 号 論文ID: 23-28006
秋田県の山間部などに架かる木歩道橋では,冬季の雪荷重による落橋の危険性が問題となっている.対策として雪荷重に耐えられるほどに強度を高めるのも1つの方法であるが,雪荷重が作用するのは冬季のみであり,その期間のためだけに橋自体の性能を規定することは,コスト面などから見てもあまり合理的ではない.そこで,冬季の間だけ構造を変換させて雪荷重を回避する床版開閉式構造を提案する.本研究は,この構造を取り入れる事による積雪軽減性能を調査するため,屋外暴露試験を実施し,橋への積雪量や積雪状況などの検討を行った.その結果,橋への積雪は主桁や開けた床版の上面のみで,橋全体を覆う積雪は確認されず,試算した雪荷重は床版を開けない場合と比較し,50%程度減少するなど雪荷重を一定量軽減させることが確認された.