2024 年 80 巻 3 号 論文ID: 23-00100
戦前,朝鮮の鎮南浦では,地理的条件によって特殊な設備を持った石炭積込施設が建設されることとなった.同時期の日本において同様,あるいは類似した地理的条件を持った場所がなかったことから,鎮南浦港における石炭積込施設の建設を巡っては,従来の技法にはない,新たな施工方法・施設建設がなされることとなった.そのため同港への施設建設は,その計画立案及び試験的設備の建設等一連の作業が,戦前の日本初であり唯一のものとなった.本稿では以の点について欧米諸国や日本各地の事例を明らかにしたうえで,比較検討することで,鎮南浦港で建設された施設の特徴について解明することを目指す.