土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
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天端が静水面近傍に設けられた防波堤港内側腹付マウンドの越波に対する安定性に関する研究
田中 真史三井 順久保田 真一柴山 知也
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2024 年 80 巻 5 号 論文ID: 23-00241

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抄録

 防波堤港内側腹付工の越波に対する安定性評価方法の標準化の端緒として,天端が静水面近傍に設けられた腹付マウンドを対象として,マウンド天端幅,防波堤天端高および防波堤形式が異なるときの二層被覆形式の消波ブロックの安定性を検討した.水理模型実験の結果,被覆材の安定性はマウンドの法肩が保持されるか否かにより大きく異なることが分かった.また,マウンド周辺流速場の再現計算により,被覆材の直接的な被災要因は越波水の打ち込みにより被覆層内に生じる流れであることが示唆された.被害特性を踏まえ,マウンド天端幅により区分した安定性評価式を用いることにより,被覆材の安定性を評価できることが示された.これにより,マウンド天端幅,防波堤天端高および2種類の防波堤形式によらず当該マウンドを設計することが可能となった.

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