港湾構造物の建設に伴う環境負荷の削減に向け,設計段階において,経済性(建設コスト)に加え環境性も考慮し,構造形式や断面を検討することが望まれる.一方,環境負荷削減の観点における最適な構造形式や断面の設定に関する知見は乏しく,経済性の観点での最適な構造形式や断面との関係性も十分に分かっていない.
本研究では消波ブロック被覆堤に着目し,地球温暖化抑制,天然資源保全および経済性の観点における最適断面の設定について,事例分析や感度分析による検討を行った.これにより,各観点での最適断面は必ずしも一致しないことを明らかにし,建設コストと環境負荷量の総合評価を行う新たな設計手法の必要性を示した.また,環境性を考慮する新たな設計手法について,環境負荷量の価値設定や設計初期に使用材料の検討を行う必要性を示した.
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