2024 年 80 巻 6 号 論文ID: 23-00233
L2を超える地震動下での鋼管集成橋脚の優れたロバスト性を高架橋の危機耐性向上に生かすにはCFT柱に局部座屈変形が生じる大変形領域までの橋脚挙動を解析する実用的な手法が必要である.解析では,局部座屈部にシェル・ソリッド要素を用いる手法を検討したが,複数のCFT柱から構成される鋼管集成橋脚では収束解を得るのが困難であった.そこで,安定した数値計算が可能な実用的モデルとして,複数の1次元要素で構成され,多数の内部パラメータを持つセグメントモデルの適用性を検討した.内部パラメータはシェル・ソリッド要素モデルで算定されたCFT柱局部座屈部の面内履歴挙動にセグメントモデルの挙動が数値的に一致するように最適計算で同定した.本モデルの適用性と精度は1/10鋼管集成橋脚模型の1方向繰り返しと螺旋載荷実験を比較し検証した.