2024 年 80 巻 7 号 論文ID: 22-00359
本研究は電動キックボードのシェアリングが周辺環境へ与える影響を海外諸国の事例から学び,国内への導入の在り方に係る政策検討の一助とすることを目的に,海外都市の専門家12名へインタビューを行った.結果,複数の専門家から「飲酒運転の防止策として夜間利用禁止が効果的」,「歩行者の安全やストレスへの影響を考慮すると歩道走行は望ましくない」,「電動キックボードの交通教育に課題を感じているが具体的な教育主体・方法を模索中」等の見解が得られた.また,その他特筆すべき事項として「事業者参入に対する規制を設けるべき」,「電動キックボードが本当に持続可能性の高い乗り物か疑問」との見解や「事故の患者データに基づきヘルメット着用を強く推奨する」との見解等が見られ,これらは今後新規または継続的に議論すべきと考えられる.