2024 年 80 巻 7 号 論文ID: 23-00073
東京電力福島第一原子力発電所事故を教訓とし,原子力安全設計において専門的知見を開示し,社会との対話を尊重する必要がある.本研究では,土木学会原子力土木委員会の専門家・技術者が実践するリスクコミュニケーション(RC)の枠組みを把握するため,デルファイ法によって合意形成を試みた.調査から,専門家・技術者は,地震等の自然ハザードに関する不確かさを考慮した設計にリスク評価をどう取り入れているのかについて,情報発信と対話を望んでいると集約された.また,専門家・技術者には「安全であることを語る」のではなく,「リスクを直視したうえで必要性を語る」意識があり,この発信と対話には,現在不足している社会との相互作用の仕組みが必要であることが明らかとなった.原子力安全設計の平時のRCに活用できる共通目標が得られた.