2024 年 80 巻 8 号 論文ID: 24-00067
都市部の掘削工事で用いられる掘削土留め工は,土留め壁の変位や応力に加えて,盤ぶくれ等の掘削底盤の安定も含めて設計される.地盤改良は一般的な盤ぶくれ対策のひとつであるが,部分的に改良した掘削底盤の挙動が不明確であるため全面改良する場合が多い.そこで本研究では,格子状に改良した掘削底盤を対象に,模型実験と二次元土‐水連成FEMを用いたシミュレーション解析により底盤挙動の解明を試みた.それにより,格子状改良の非改良部が同じ掘削幅の底盤と同様に挙動する特徴を明らかにした.また,その知見を踏まえて鉛直方向の荷重釣合いを指標とした簡易な計算手順を整理して,格子状に地盤改良した掘削底盤の盤ぶくれの試算例を示した.