2025 年 81 巻 1 号 論文ID: 24-00064
土木分野における温度ひび割れ照査は,一般的にコンクリート標準示方書に示されるひび割れ指数とひび割れ発生確率の関係図を用いて実施されている.本論文では,この図の本来的な意味を確率論的に検討し,その改訂の変遷を整理することで課題を明らかにした.引張応力と引張強度を正規分布とし,ひび割れ発生確率はその変動係数とひび割れ指数をパラメータとした関数で表されることを示した.この算定式を用いて提案した新たなひび割れ照査方法により,従前ひび割れ対策として評価できなかった高品質な施工管理状態や,変動係数を制御する新たな対策系の評価が可能となることを示した.