2025 年 81 巻 13 号 論文ID: 24-13479
本論文では上層を乾燥状態,下層を飽和状態とした密な砂地盤に埋設された円形立坑模型の遠心載荷実験の挙動解析を行い,数値シミュレーションの適用性を検証した.また,実際の円形立坑の各種条件(立坑の剛性,砂地盤の相対密度,排水条件)を考慮して,砂地盤の奥行幅が円形立坑の地震時応答に及ぼす影響を数値モデルで分析した.結果,砂地盤および円形立坑の物性値などを適切に設定すれば,地盤および円形立坑の応答を概ね評価できることがわかった.また,コンクリートのひび割れ前で円形立坑の剛性が大きい場合,砂地盤奥行幅を円形立坑の直径程度以上確保すれば,円形立坑の応答を適切に評価できることが分かった.一方で,コンクリートのひび割れ後のように円形立坑の剛性が低く,砂地盤奥行幅が狭い場合,立坑の応答を過大に評価した.