2025 年 81 巻 13 号 論文ID: 24-13508
原子力発電所の建屋のような大規模構造物の地震時の浮上りを考慮した地震応答解析について,詳細有限要素モデルを用いた品質向上とモデルの合理性の追求を目的に基礎的な検討を行った.解析モデルは地盤と構造物を一体とした通常の有限要素モデルの他に,地盤と構造物の間で接触条件を考慮することで自由度を低減したモデルを提案した.詳細有限要素モデルを用いて大規模構造物の浮上りを評価することで,基礎の変形や建屋形状の影響も検討できる可能性が示唆される結果が得られた.また,接触条件を考慮して自由度を低減することが解析コストの面では有効であり,今後実施する地震応答解析においては合理的なモデルとして活用できる可能性が示された.