2025 年 81 巻 13 号 論文ID: 24-13510
地震と津波の重畳現象を対象とした検討事例は少ない.本研究は,地震と津波の重畳時の解析の準備段階として,流体剛体連成解析手法を用いて,地震のみが作用する時の構造物と流体の挙動を考慮した数値流体シミュレーションを実施した.
検討の結果,本解析手法で算定された防波堤に作用する力は,構造物が運動すると動水圧合力が小さくなるが,防波堤ケーソンに作用する力は設計値と同程度であり,地震時の構造的安定性の評価が可能である.また,FEM解析(解析コード:FLIP ROSE)による地震応答解析結果と比較すると,パラペット構造の影響により,残留変位の結果に違いがみられるものの,解析手法に依らず,同様の地震応答解析を行えることが確認された.