2025 年 81 巻 13 号 論文ID: 24-13516
地震発生時におけるガス導管の被害は,耐震性能の低いねじ継手に集中する.一般に,SI値を用いて被害率を評価する場合,対象とする材料や構造が同一であれば,いずれの地震でも同程度の被害率が得られるはずである.しかし,1995年の阪神・淡路大震災以降の主な地震でねじ継手の被害率とSI値の関係を確認すると,SI値が同程度であっても地震の発生年が新しいほど被害率が低減する傾向がある.そこで本研究では,ポリエチレン管(以下,PE管)の高い変形性能に着目し,PE管が混在するガス導管ネットワークの耐震性能を評価した.具体的には,PE管の埋設比率を説明変数として,ねじ継手の被害率との関係を整理した.その結果,PE管の埋設比率が増加するにつれ,ネットワークの耐震性能が向上し,ねじ継手の被害率が低減することを確認した.