土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(地震工学)論文
地震起因の地表面変状と埋設管路被害の空間相関特性に関する実験的検討
岡野 莉子庄司 学
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2025 年 81 巻 13 号 論文ID: 24-13530

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抄録

 本研究では,下水道埋設管路の中の汚水管を対象とする.管路長1,500mm相当の枝線が地表直下に埋設された場合の模型を作成し,振動台加震実験と画像解析を組み合わせ,地震時の地盤変状に伴う地表面―埋設管路変位の空間相関を明らかにした.地表面変状を液状化,地割れ,地盤沈下の3タイプにモデル化し実験を行った結果,地表面変位量,管路変位量ともに液状化,地割れ,地盤沈下の順に大きくなった.液状化の場合には管路全体の浮上に伴う地表面変状を示し,地割れならびに地盤沈下を伴う場合には,管路の浮上部分と沈下部分が混在した結果,その特有の地表面変状を示した.画像解析による地表面変位量の推定は,いずれの地表面変状タイプにおいても良好な精度を与えた.地表面―埋設管路変位の空間相関のモデル化は線形近似が最適であった.

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