2025 年 81 巻 13 号 論文ID: 24-13530
本研究では,下水道埋設管路の中の汚水管を対象とする.管路長1,500mm相当の枝線が地表直下に埋設された場合の模型を作成し,振動台加震実験と画像解析を組み合わせ,地震時の地盤変状に伴う地表面―埋設管路変位の空間相関を明らかにした.地表面変状を液状化,地割れ,地盤沈下の3タイプにモデル化し実験を行った結果,地表面変位量,管路変位量ともに液状化,地割れ,地盤沈下の順に大きくなった.液状化の場合には管路全体の浮上に伴う地表面変状を示し,地割れならびに地盤沈下を伴う場合には,管路の浮上部分と沈下部分が混在した結果,その特有の地表面変状を示した.画像解析による地表面変位量の推定は,いずれの地表面変状タイプにおいても良好な精度を与えた.地表面―埋設管路変位の空間相関のモデル化は線形近似が最適であった.