長期的に供用されてきた鋼橋における鋼部材の腐食が進行すると，耐荷力が低下する危険性がある．腐食に対する対策として，表面が緻密な不働態被膜で覆われており優れた耐食性を有するステンレス鋼の採用が挙げられる．しかしながら，ステンレス鋼の部材としての耐荷力特性に関するデータは少なく，さらなるデータ収集が必要である．本研究では，ステンレス鋼の一つであるSUS323Lを用いた自由突出板の耐荷力特性を明らかとするために十字断面短柱の軸圧縮試験をおこなった．そして，再現解析により妥当性を確認した解析手法にてパラメトリック解析をおこない，既往の耐荷力曲線と比較し，さらにはSUS323Lを用いた自由突出板の耐荷力評価式を提案した．
