2025 年 81 巻 14 号 論文ID: 24-14012
近年,都市内高速道路の重要交通網に採用されている鋼床版橋梁において,デッキプレートのUリブ溶接部を起点とした疲労き裂が多数発生している.現在,その対策工事では渋滞による社会的影響が大きい.そこで鋼床版下面からUリブ内に充填する軽量樹脂モルタルと,Uリブ間に貼付けるCFRP成形材による下面補強法を検討している.この工法に対する補強効果の有用性は確認できている.本研究は3本のUリブを有する鋼床版供試体に対して,Uリブ内への軽量樹脂モルタル充填と樹脂の2次注入,およびUリブ間内へのCFRP成形材貼付けを行い,それらによる補強後の性能の確認を行った.また,移動輪荷重走行実験による,疲労き裂に対する進展抑制効果,長期供用時における補強効果を確認した.