2025 年 81 巻 14 号 論文ID: 24-14014
軽量・高強度なFRP材を用いた建設構造部材の補修・補強法に関する研究が盛んに行われている.FRP材を用いた既存構造物の補修・補強法は,既存構造部材の表面に接着剤を用いてFRP材を接着接合したり表面上に直接成形したりして,既存部材の負担応力を軽減することで,部材耐力の回復や向上を図る手法である.数多くの実績があるが,接着接合部の剥離により応力伝達が不可能となると性能が発揮できなくなるため,管理や剥離強度の把握が肝要となる.そのため,筆者らは剥離の検討が必要ない非接着による補強方法を提案してきた.本研究では,切断したGFRP管に,スリット入りパイプ状FRPを用いた非接着の継手により剛性を復元させる手法に関して成形法と施工法,設計法について,さらに基礎的な実験検討を行った結果について報告する.