2025 年 81 巻 15 号 論文ID: 24-15031
既設杭基礎の周囲に鋼管矢板やシートパイルのような壁状部材(補強矢板)を打設し,既設杭に発生する断面力を低減させる耐震補強工法の開発が進められている.既設杭への補強効果は補強矢板・既設杭間の群杭効果によって生じるものであるが,両者の剛性や長さが異なるため,従来の群杭効果の評価法が適用できない.そこで本研究では,アルミ棒積層地盤での2次元模型および乾燥豊浦砂での3次元模型を用いた水平載荷実験を実施し,既設杭の断面力低減効果は,既設杭の受働くさび領域の圧縮ひずみが,補強矢板によって低減・遮断され,地盤反力が低減されることで生じることを確認した.またその結果を踏まえ,群杭効果によって生じる既設杭の断面力低減効果を剛性差も考慮して定量的に評価する手法を提案した.