2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16036
河道内植生の消長過程や河床変動を予測するためには,植生群落背後のSteady wake regionにおける細粒土砂の堆積過程を理解することが重要である.本研究では植生群落背後の三次元的な乱流・二次流構造および浮遊砂堆積領域を解明するために,群落長さを系統的に変化させた4通りの全水没植生流れを対象に水路実験を行った.まず,計測断面を横断方向・鉛直方向に細かく設定して鉛直面PIV・水平面PIVによる流速計測を行った.その結果,群落長さによる鉛直・水平混合層の発達過程および二次流構造の変化に伴い,群落背後の主流速の回復過程が変化することが示された.次に,浮遊砂投入実験における群落背後の堆積状況の観察から,Steady wake regionやその下流で浮遊砂が堆積することが示唆された.