2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16037
河川橋梁は設置後老朽化が進行するとともに設置河道の状況が変化することもあり,近年数多くの橋脚洗掘被害が報告されている.これまで橋脚洗掘に関する研究は周辺流れや洗掘深を中心に多数行われてきたが,地形の特徴を考慮した研究は実河川での検討以外にほとんどない.そこで,本研究では,砂州上における橋脚洗掘現象を捉え,移動床水路実験にて一事例としての検討を行った.
具体的には,非定常流量通水下で砂州を形成・流下させ,小判型橋脚の洗掘現象を調査した.橋脚内部に360度カメラを設置することで,通水中の洗掘河床高の変化を把握した.その結果,砂州の堆積域および洗掘域の特徴に基づく洗掘深の変動や,砂州洗掘域で最大の洗掘が発生することを明らかにした.また,砂州堆積域から洗掘域への移動に際して,局所洗掘された河床高が埋め戻されない現象も示した.