2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16045
近年,豪雨の頻度と雨量が増加し,不浸透域の多い都市域では内水氾濫による被害リスクがより高まっている.本研究では,高松市市街地東部を対象として,下水道,建物と排水ポンプを考慮した内水氾濫シミュレーションを行い,浸水深の時間変化や避難リスクの空間分布と時間変化の特徴を考察した.その結果,建物を考慮することにより,浸水深や流速が増加し,浸水範囲が広くなる結果が得られた.また,建物を考慮していない場合,リスクを過小評価している危険性が示された.このような内水氾濫のリスクをより速く知るための手段として,対象地域の標高や氾濫流の流動特性を考慮した上で,下水管の満管状態を確認することにより,氾濫を事前に推察できることが示唆された.