2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16051
車両基地等に留置中の鉄道車両を河川氾濫が発生する前に避難させる判断に用いるために,Today’s Earth-Japanによる降雨の流出・流下過程を考慮した氾濫予測手法の活用可能性を検討した.本検討では,過去の111件の河川増水事例を対象として,Today’s Earth-Japanを用いた場合の車両留置箇所付近の水位観測所における河川水位の精度検証を行った.その結果,捕捉率,見逃し率は良好であるとともに,河川氾濫予測のリードタイムは,実際に氾濫が発生した2019年台風19号の事例では全体の90%以上の地点で1日以上のリードタイムを確保できることが確認された.