2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16053
滝は上流方向へと移動する場合がある. 本研究では, 滝の落差角度と高さが滝上流の流況や掃流砂挙動に影響を与えることで, 移動形態が変化すると仮定し, 侵食実験とPIV解析, PTV解析を行った. 実験の結果,落差角度は侵食によって徐々に変化し,その角度がある角度以上になると,上流側にステップが形成されなくなる.最終的な落差角度は落差高によりある程度決まっているため,最終的に移動速度は落差高に依存することになる.また,落差角度が急になると,粒子衝突速度の増加位置が法肩から離れ,ステップの形成間隔が大きくなる.落差が大きくなると,跳躍距離の増加により衝突頻度が低下し,ステップが形成されづらくなることが示唆された.