2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16054
基盤岩が露出する露岩河床上において断層等の地殻変動によって発生した段差部(ステップ,滝)は,ステップ上で流速が大きくなり侵食が集中することによって時間の経過とともに上流に遡上すると言われている.基盤岩の場合,侵食の原因となるのは流水によるものというより流水によって運搬される流送土砂によるものであり,流送土砂による侵食関数も定式化されている1).ところが,その式を用いて数値シミュレーションを行うと,時間の経過とともにステップが消滅することが明らかとなっている.本研究では,緩勾配の露岩河床上に形状を維持しながら上流へ遡上する孤立ステップ(単独の滝)が形成され得るか否かを理論的に明らかにした.