2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16057
出水時の流木の挙動については治水上の重要な課題とされてきたが,近年は流木と土砂輸送機構の関連について改めて注目が集まりつつある.国内の一部河川では比重の大きい広葉樹由来の流木が掃流的に河道を輸送される可能性が示されており,これまでの土砂水理学的な挙動とは異なる河道の変化をもたらすことが予想される.本研究では簡易なParticle Semi-implicit Model型の流木モデルをこのような掃流型の輸送に適用できるよう修正し,既往の屋外水路実験での流木挙動の再現に適用した.流木の堆積位置について比較的良好な再現性が得られた他,流れに対する迎角を評価した抗力項の寄与が高いことが示唆された.