2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16081
農村地域における都市化や混住化に伴い,農業用水路の落差工で発生する落下水音等が,その周辺に新たに居住するようになった人々にとっては騒音として認識される場合が生じるようになってきている.そこで,水クッション型落差工における落下水音の発生の予測を目的として,現地で計測された音圧レベルから求めた音響パワーレベルと,数値流体解析から得られた乱流エネルギー散逸率の関係を検討した.その結果,乱流エネルギー散逸率は,流量や段落差の変化が音響パワーレベルに及ぼす影響を予測できる可能性が高いことが確認された.従来,着目されてきた単位時間単位幅あたりの落下エネルギーよりも,音響パワーレベルとの相関関係が高いことも確認された.