2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16082
老朽化した水インフラの維持管理は必要不可欠であり,配管の簡便な点検方法が望まれている。本研究では,一対の送受波器のみを用いた時間反転波による音波の収束を利用して,管内変形の検出のための新たな手法を提案する.このため容積や材質の異なる変形模擬物を用いた基礎実験をトーラス形状の管内で行い,本手法の有効性を確認した.なお,管内の割れやきず等の検出は提案手法の対象範囲外としている.加えて時間反転波の受信波形のみで変形の有無の判別が困難な場合に,その有無に対応した信号を判別する深層学習モデルを構築し,正解率及びF値を評価指標として提案手法の有効性を評価した.