2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16092
太田川水系根谷川に設置されている観測桝に堆積する洪水時の土砂量の時間変化を観測するために,硬く応力に対して変形しにくい材質を用いた計測装置を新たに開発し,計3つの異なる計測パターンで比較,検討した.計測装置の計測原理は,水で満たされた容器内と容器外に圧力式水位計を設置し,土砂堆積後の容器内の圧力計は堆積土砂の全応力を計測し,容器外の圧力計は間隙水圧を計測し,その差によって土砂堆積高を求める手法である.観測枡へ適用した結果,袋体タイプおよびポリタンクでは,適切に土砂堆積高を評価することができなかった.一斗缶では,現地実験による補正式の適用や,壁面に作用する応力を考慮することで,ある程度土砂堆積高を評価することができると考えられる.