2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16093
本研究の目的は,全国を対象に様々な流域の特徴をもつダムの流入量予測の一般化手法を提案することである.気候変動の影響により大洪水が頻発化している現状を踏まえて,政府は洪水調節機能の無い利水ダムにおいても事前放流等の洪水対策を行う方針を示した.適切なダム操作を行うためには流入量の予測手法の確立が求められる.しかし,全国に数多く存在しているダムにおいて予測モデルを個別に作成するには多大な労力と時間がかかるため,複数のダムに適用できる,一般性のある予測手法の確立が望まれる.本研究では,スパースモデリング手法の一つであるElastic Netを用いて,流入量予測手法の一般化を試みた.ダムを流域の地理情報をもとにクラスタリングし,各クラスターを代表するモデルを選定することで,予測手法の一般化を図った.