2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16096
本研究では,長大な管理延長を有する都道府県管理の中小河川において,ALB計測を起点とした効率的な土砂堆積状況の把握と流下能力の充足度の評価を主軸とした客観的な対策優先度の判定を行うなど,河川管理者に判断材料を提供し意志決定を支援するワークフローを提案する.限られた河川管理のリソースを有効活用し,治水上の安全度と重要性を考慮し,必要な箇所に重点的な対策を講じるための仕組みを構築するとともに,河川規模の異なる県管理の4河川において本手法による分析を行い,手法の有効性を検討した.また,県管理河川の治水安全度の実態について考察するとともに,本手法による気候変動を考慮した将来的な外力の基準に対する氾濫リスク評価への応用の可能性を示した.