2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16130
水力発電は,安定した出力を長期的に維持することが可能な脱炭素電源として重要である.一方で,水力発電の持続性を確保していく上で,貯水池土砂管理は大きな課題である.また,脱炭素電源を最大限に活用する「ダム再生」と,ダムの長寿命化と河川・海岸の改善を両立する「流砂環境再生」が重要である.本論文では,ダム下流河川環境に配慮した貯水池土砂管理手法の高度化を目的として,ダム下流河川の土砂動態と生物生息場環境の関係性について考察した.具体的には,置土を計画している二津野ダムを対象として,河床変動解析を実施するとともに,河川環境調査結果の整理・分析を行った.その結果,河川に必要な土砂の粒径等を把握した上で,最適なダム下流への土砂還元の計画を策定できる可能性を見出した.