2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16143
ウォッシュロードのような微細な土砂を含む流れは,黄河に代表される高含砂河川や豪雨時の泥流,土石流時の流れとして発生する.このような高濃度土砂流の流動特性を把握することは,実際の洪水氾濫挙動や橋脚,家屋等に与える影響を知る上で重要となる.そこで本研究では,様々な形状の柱状物体を有する開水路にて,高分子剤を用いて高濃度土砂流を再現し,体積土砂濃度7%に相当する高粘性流体と清水流における流れ構造や形状抵抗特性の違いについて実験的に検討した.様々な形状の柱状物体を有する開水路流の時間平均流特性について検証し,高粘性流体では清水流に比べて柱状物体周辺に発生する迂回流や後流渦の発生規模が抑えられることを明らかにした.また,高粘性流体における形状抵抗特性について,各形状の抵抗係数の大小関係を明示した.