2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16141
本研究では,底壁面に吸込み機能を有する縦桟粗度を設置した開水路において,吸込み操作を上流半分領域とした流れ場の特徴を検討した.全領域吸込み操作で消失する顕著な上昇流,対を成す大規模旋回流については,上流半分領域の吸込み操作では,上昇流の形成は半水深位置までに留まり,対を成す旋回流は消失することが明らかとなった.また,鉛直直方向のレイノルズ応力(-uv)は,吸込み操作無,全領域吸込み有の場合と比べて比較的小さい値となることが認められた.また,それに伴って乱れエネルギー生成項(-uv(dU/dy))分布においては,吸込み操作無,全領域吸込み操作の場合に比べて比較的小さい値となることが認められた.これらの特徴は,上流半分領域の下流に形成される縦渦構造が未発達の状況にあることが要因と推察された.