2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16153
河川流量観測で必要となる水深分布には通常平水時に行われる測量結果が用いられるが,大規模な出水時には河床変動により河床高が変化することもあるため,正しい流量を得るには洪水時の表面流速に加えて水深分布も把握する必要がある.本研究では河川表面の主流方向の時空間画像から得られる水面変動の波数–周波数スペクトルと波の分散関係の対応から,水深の横断分布を推定する手法を提案した.実河川への適用結果から,提案手法は20%以下の誤差で測量水深を推定できることを示した.一方,水深の推定精度は波数–周波数スペクトルの解像度や推定手法のパラメータに依存し,解像度が不足する場合には推定誤差が大きくなることやフルード数が高い場合には異常値が算出されることが確認された.