2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16160
著者らは以前の研究で,気象庁雨量計データから1分値降水強度を推定する内挿法を開発した.内挿法は,転倒ます型雨量計の転倒発生時刻を推定し,転倒間の降水強度を一定と仮定して任意の時刻の降水強度を算出する方法である.本研究では,XRAINの降水強度を参照して,転倒間の降水強度変化を推定するように内挿法を改良した.以前の方法に比べて,精度が向上した.次に,これをXRAINの補正とみて,補正係数を決定する.補正係数を時間平滑化及び空間内挿して,雨量計のない場所でもXRAINの補正を行った.XRAINの信頼度をレーダからの距離に応じて設定し,平滑化の時間スケールを雨量計からの距離に応じて設定するのが良いと分かった.補正前のXRAINに比べて,おおむね精度が向上するが,線状降水帯などの強い雨は過小評価することが課題である.