土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(水工学)論文
河川カメラ,物体検出AI及び大規模マルチモーダルモデルによる人の河川利用調査の検討
山田 悠生吉田 圭介潘 是均小島 崇
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2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16190

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抄録

 現行の河川空間利用実態調査では利用者の属性や詳細な行動特性は把握できないが,河川整備の効果を適切に評価し,人の河川への関わりを理解するためには,本調査を補うような新たな手法の適用が望まれる.本研究では河川監視カメラと大規模マルチモーダルモデルであるLLaVAを用いて,河川利用者の属性や行動特性に関して基礎的な調査を行った.本研究では,物体検出AIモデルYOLOを利用して,特に画像解像度や検出範囲が検出結果に与える影響を調べた.人の性別,年代,行動をLLaVAで推定した結果,男女の区別は概ね目視確認と一致したが,高齢者が誤判定される傾向が見られた.また,徒歩,サイクリングなど,一部の行動以外の判定結果は目視確認と概ね一致し,人の属性や行動の認識におけるLLaVAの有用性と適用限界を示した.

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