2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16209
河川汽水域の干潟域に生息するハゼ科魚類を対象にした環境DNA分析の検出効率を高めるための知見を収集することを目的に,干潟の間隙水を用いた環境DNA分析と採集調査との結果の比較をおこなった.その結果,礫干潟の間隙水を用いた環境DNA分析は,採集よりも効率的であることが示唆された一方,砂干潟や泥干潟で間隙水の環境DNA分析は,採集よりも効率が悪く,特に砂干潟でその傾向が顕著であった.よって,礫干潟における間隙水の環境DNA分析は有効である一方,間隙水の濁りやすい砂干潟や泥干潟では,PCR阻害要因の除去等の工夫が必要であることが明らかになった.