2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16212
2023年6月30日から7月10日にかけて梅雨前線の影響で大雨となり,大分県由布市湯布院町川西畑倉地区,日田市小野地区と大鶴地区,中津市耶馬溪町宮園地区は被災した.4地区は過去に被災した経験があり,避難に繋がる要因,避難した理由及び避難しなかった理由を検証するために,災害時の住民避難行動の聞き取りを行った.避難経験と避難の有無とのピアソンのカイ二乗検定結果より,統計的に有意な差が存在した.4地区では過去の避難経験が今回の避難行動に繋がっていることを明らかにした.対応分析結果より,避難した理由は避難の呼びかけや周辺状況の危険性の理解であり,避難しなかった理由は,自宅待機の選択,正常性バイアス,災害に気が付かずに気がついたら避難できない状況及び消防団の活動であることを明らかにした.