2025 年 81 巻 2 号 論文ID: 24-00113
近年,高強度・耐食性・軽量といった特性を有するGFRPを主要構造材料とした歩道橋の事例が多数見受けられる.しかし,道路橋・鉄道橋については国内の事例はなく,今後はGFRPの耐食性・軽量性を活かして応用されることが期待される.道路橋・鉄道橋では,荷重・設計条件が歩道橋の場合とは異なるため鋼材と比べて弾性係数の小さいGFRPを主要構造材料として用いる場合,厚板が使用されることが予想される.また,板厚が数十mmに達するGFRPはこれまでに応用事例もほとんどなく,その成形精度・機械的特性の評価法についてもデータが不足している.そこで本論文では板厚が40mmのGFRPを成形し,その機械的性質の評価を行うことを通して,厚肉GFRPの適切な材料試験法について検証するとともに,設計のための基礎データを示す.