2025 年 81 巻 2 号 論文ID: 24-00139
橋梁のように移動荷重を受ける構造物の設計において,着目点の影響線は必要不可欠な概念である.有限要素モデルに対して影響線を求めるためには荷重作用範囲の節点数と同じ数の解析が必要となる.Müller-Breslauの原理を有限要素解析に適用することも可能であるが,着目点に不連続変位を与えるため,手間のかかるモデルの修正が必要となる.これに対し,著者らはモデルの修正が不要で汎用有限要素解析コードへの実装が容易な影響線の解析手法を過去に提案した.本論文はこの手法を橋梁の解析モデルでよく用いられる平面シェル要素に適用する方法を提案する.単純な板曲げおよび鋼床版を有する鋼鈑桁橋のモデル対して,提案手法により求められた影響線を通常の単位荷重による有限要素解析結果と比較することで提案手法の妥当性を確認した.