2025 年 81 巻 2 号 論文ID: 24-00134
積層モデルを用いた対称軸の無いCPC(Chemically Prestressed Concrete)壁高欄のケミカルプレストレスおよびケミカルプレストレインの推定方法を拡張して,その後の材齢の経過に伴う乾燥収縮などの体積変化によって長期的に断面内に生じるひずみおよび応力分布を推定する手法を提案し,実大規模の道路橋床版の壁高欄がある供試体における実験結果と対比して主に検討した.その結果,提案した手法を用いることで収縮過程のひずみの挙動を定性的に再現できること,膨張コンクリートの使用効果およびその後の収縮によって発生する応力は,対象部材とそれを拘束する部材の相互関係によって定まり,反力となる拘束部材にも局部的に応力が集中する個所が生じることなどが明らかとなった.また,提案手法をさらに簡略化した方法についても提案する.